令和7年5月の漁業アカデミー
- 管理者
- 6月3日
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入学式も無事終わり、過ごしやすく海の生物も活発に活動する5月となりました。研修生はこれから実地研修、座学研修や資格取得を精力的にこなしていくこととなります。
〇小型船舶操縦免許取得講座(5/1、2、7、8、12、14、15)
場所:小松島市和田島町 有限会社小松島マリーナ本社
受講研修生:一般コース5名、専攻コース7名
小型船舶操縦士免許の取得は、原則とくしま漁業アカデミーの卒業要件の一つとなっており、令和7年度第9期研修生15名のうち、11名が二級及び一級ステップアップ講座を受講しました。受講概要は次の通りです。
一級免許取得済み:3名
二級免許取得済み、一級免許ステップアップ講座受講:2名
免許未取得、ニ級免許及び一級免許ステップアップ講座受講:10名
※1名は体調不良のため、延期とした。
研修生は例年お世話になっている有限会社小松島マリーナ実施の取得講座に参加し、令和7年5月1、2日に二級学科+修了審査、7、8日に一級ステップアップ学科+修了審査、12、14、15日に二級実技が行われた。
受講研修生は座学のほか、ロープワーク、船舶での操船等実技講習を熱心に受講し、全員が無事一級小型船舶操縦免許を取得することができました。
受講に際しまして、格別のご配慮、ご協力をいただきました有限会社小松島マリーナの皆様に、この場をお借りし、心よりお礼申し上げます。

小松島マリーナ本社

学科講習

ロープワーク講習

操船実技講習
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〇食品衛生責任者養成講習会(5/9)
場所:徳島市南末広町 中央テクノスクール「ろうきんホール」
参加研修生:一般コース4名、専攻コース9名
漁業就業に役立つ資格取得の一環として、食品衛生責任者養成講習会を研修生13名が受講しました。
漁家で水産物の加工等(干物製造など)を行う場合、許可に加え事業を行う際に食品衛生責任者を配置する必要があり、当資格は必須の資格となります。主に「食品衛生責任者ハンドブック」を用いて食品衛生学、食品衛生法、公衆衛生学及び食品表示等、食品衛生に関係する講義が10時から17時(途中1時間休憩含)まで行われ、受講後その場で全員に修了証明書が交付されました。

受講風景
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〇進路選択オリエンテーション1(鞆浦漁協 5/19~22)
今年度の進路選択オリエンテーションは5月19日から鞆浦漁協で始まりました。第9期研修生15名のうち一般コース研修生3名、専攻コース6名の計9名が今回の実習に参加しました。
初日に大敷網船長ほかから大敷網の仕組みや漁の方法等について説明していただきました。
今年度は研修期間中、天候・海況ともに恵まれ、全ての日程で出漁することできました。
研修生は朝5時から漁船に乗り込み、網揚げ等船上作業及び陸上での漁獲物選別作業を学びました。
大型定置網では多種多様な魚種が大量に水揚げされ、研修生は船上作業から選別作業を体感し、魅力や大変さを実感した大変良い実習となりました。
この場をお借りし、鞆浦漁協関係者の皆様に心よりお礼を申し上げます。





模型による大型定置網漁の説明
大型定置網の網持ち実習
漁獲物の選別実習
水揚げ作業
カマスサワラを持つ研修生
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〇県水産研究課座学(5/27 鳴門庁舎、5/28 美波庁舎)
5月27日(火)は、研修生15名全員が参加し、水産研究課鳴門庁舎においてワカメをはじめとする藻類養殖の基礎などについて、担当者から説明していただき、施設案内をしていただくとともに、わかめの種付け実習を行いました。また、庁舎に隣接する徳島大学の施設も表敬訪問しました。
5月28日(水)は、研修生15名全員が参加し、水産研究課美波庁舎において、本県の海洋環境や当庁舎での研究内容について各担当者から説明していただいた他、庁舎を案内いただきました。また、調査船「とくしま」を見学させていただきました。
【水研鳴門庁舎】
① ワカメ及びワカメ養殖に関する基礎知識について
水研作成の「とくしまブランド水産物もの知り図鑑[鳴門若布]」を資料にワカメの生態や養殖に関する知識を学びました。なお、本県は西日本一の生産量を誇っているが、近年の色落ち等により、生産量の減少が大きいとのこと。
② リアルタイム水質情報配信システムの紹介
県下の設置状況、水研HPでの確認方法を詳しく説明いただいたほか、観測ブイの実機を用いて仕組み等の詳しい説明をしていただいた。
③ 庁舎見学
ワカメのフリー配偶体の保管状況や庁舎全体を案内いただくとともに、観察中の赤潮等プランクトンを吉田研究員に説明いただいた。
④ ワカメ種糸作成実習
ワカメのメカブから遊走子を放出させ、種糸に付着させる一連の作業を実習させていただいた。当日は比較的よくメカブから遊走子が出て、研修生もはっきり確認することが出来た。今後、遊走子を付着させた種糸は、育成試験用に使う予定とのこと。
【水研美波庁舎】
① 水産研究課美波庁舎の紹介
水産研究課の要覧を基に、美波庁舎が実施している調査や研究に関する取組全般について、説明していただいた。
② 徳島の藻場について
徳島の藻場について、藻場の概要から調査方法、県内域での生育状況、保全方法等について、説明していただいた。
③ 美波庁舎防災棟内見学
美波庁舎防災棟(研究棟)の施設を案内いただいた。
④ 資源管理における近年の動向について
水産資源管理に関する説明、本県にも関係するカタクチイワシ成魚、サワラ、ブリ及び真鯛に関する資源動向及び取り組みについて、説明していただいた。
⑤ 徳島の海
徳島県沿岸の漁海況について、衛星画像や調査船「とくしま」等による実地観測結果等を基について、説明していただいた。
⑥ 調査船「とくしま」
日和佐港に係留中の調査船「とくしま」にて、調査船の器具や観測手法等について、説明していただいた。
最後に、県水産研究課には両施設の利用許可をいただくとともに、課長・副課長はじめ研究員、水産指導員ほかの皆様にお世話になりました。
心よりお礼申し上げます。





鳴門わかめについての講義
赤潮・貝毒についての講義
ワカメの種付け実習
資源管理についての講義
調査船「とくしま」の見学
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